【紙から電子へ】マンガのプラットフォームのちょっとした考察

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マンガは電子書籍と相性が良いです。

マンガ×電子書籍のメリット

  • 巻数の多いマンガを所持しても場所を取らない
  • どこでも気軽に読める
  • 印刷不要なので品切れ・絶版が無く、機会損失を避けられる

マンガ×電子書籍のデメリット

  • 紙ならではの質感は再現できない
  • 所有欲を満たしにくい

他にも色んなメリット・デメリットを挙げられると思いますが、この辺が主だったところでしょうか。

一人ひとり色んな意見があると思いますが、マンガの電子書籍市場の広がりを見るに多くの人に受け入れられているようです。

こうした流れも受けてか、当初はマンガの電子書籍化に難色を示していたマンガ家徐々に態度を軟化させていっています。 ( 浦沢直樹作品の電子書籍化がまさにそれ )

現在では電子書籍化されていないマンガというのはかなり少数派です。

例えば、こちらの記事にてまとめた「1巻あたり平均部数」が100万部を超える大ヒット作品でいうと、電子書籍になっていないのはたったのこれだけです。

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  • 電子書籍化予定なし:SLAM DUNK / バガボンド / サザエさん
    • 井上雄彦はリアルのみ電子書籍になっています。
  • 電子書籍化予定:よつばと!
  • ebookjapanでのみ電子書籍化:デビルマン / 三国志

他の有名どころだと大友克洋や水島新司も電子書籍になっていませんが、こうした作家・作品は今やかなり珍しいです。そして、このように振り返るとマンガ業界は今まさしく過渡期にいると言えそうです。

とはいえ紙のマンガが完全淘汰されるとも思っていません。おそらく、いずれ住み分けが完了して紙・電子の割合は平衡状態になるのではないでしょうか。

それでは紙・電子をそれぞれプラットフォームとして捉えて、少し考察してみます。

目次

紙プラットフォームが当たり前だった頃

電子書籍が現れるまではこんな構図ではなかったでしょうか。

私の勝手な整理ですが、一言にマンガのプラットフォームと言っても段階によって分けられると思っています。

  • 0次プラットフォームアマチュア作品発表の場。古くは同人誌などが該当し、ネットが普及してからは個人サイト・イラストSNSもここに含まれる。
  • 1次プラットフォーム商業作品が初めて世に出る場。0次にて腕を磨いた人がマンガ家として名乗れるようになる。
  • 2次プラットフォーム:読者に選んでもらって購入してもらう単行本。マンガ家は原稿代じゃなくて印税が入る。
  • 2.5次プラットフォーム:一度単行本になった作品の再版

厳密には昔の貸本、今のレンタルサービスもプラットフォームの一種かと思いますが、ここでは省略しています。

注目したいのは、電子書籍が出てくるまでネットはあくまでアマチュア作品発表の場でしかないことですね。

電子書籍自体は古くからありましたが、スマホ・タブレットの登場により快適に読めるようになってから世の中に受け入れられていきました。

電子プラットフォームの台頭

こんな感じに変わったと思います。

まず最初に電子書籍が普及し、それに追随するように各出版社が運営するマンガアプリ・サイトが普及していきました。

昔の作品を電子書籍として再版することに否定的なマンガ家がいらっしゃるのも当然かと思います。連載当時は紙の単行本として購入してもらうことを念頭に創作しているため、そう簡単に割り切れるものではないはずです。

マンガアプリに馴染みのない方にとって少しややこしいのが、マンガアプリは作品発表の場 ( マンガ雑誌の代わり ) であると同時に、作品所有の場 ( 単行本の代わり ) でもあるということです。

まさしく両機能を備えたハイブリッド・プラットフォームがマンガアプリだと言えそうです。

紙・電子の住み分けについて

マンガ市場における電子書籍の割合は今どんどん伸びています。このまま、もうしばらく伸び続けるでしょう。

しかし、紙のマンガが完全になくなってしまうとは思いません

紙の質感を求め続ける人は一定数残りますし、やはり実際にモノがあった方が所有欲も満たせます。

特に「所有欲」というのはキーワードだと思っていて、以前起こった完全版ブームのように、特にお気に入りの作品のみ豪華・ハイエンドな紙の本で揃えるというのがスタンダードになっていくと予想します。

そうなると電子書籍の方はどうにか「所有欲」を満たせないか方法を検討するでしょうし、それをどう実現するのかが興味深いです。

マンガのプラットフォームについて、個人的に思索していた内容を記事にしてみました。

以上です!

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