推してるマンガのアニメ化が決まったとき、皆さんは何を考えますか?
「クオリティは大丈夫? 制作会社、監督、声優は?」といったところでしょうか。いざ放送開始して、まるでダメだとガッカリしたことも、良クオリティでテンションが上がったことも、両方経験があると思います。
では、仮に良クオリティアニメに恵まれたとしましょう。そのとき次に思うのは、「原作のどこまでアニメにしてくれるんだろう??」ではないでしょうか。
しかし、原作の最後までアニメ化してもらえるマンガというのは少ないです。巻数の長いマンガだと、なおさらです。
というわけで「推しマンガのアニメが完結まで行ってくれるかどうか」というヤキモキ問題について考えてみます。
2021年に完結したアニメ化マンガ
アニメになったことのある、もしくはアニメ化予定のマンガを「アニメ化マンガ」と呼ぶことにします。
まずはアニメ化マンガについて傾向を把握するため、2021年に無事原作が完結したアニメ化マンガを ( 分かる範囲で ) 全抽出してみます。このうち、原作の最後までアニメ化済み・予定作品を赤字、最後までアニメ化予想作品を青字にしました。
※ ただし、5分アニメ・15分アニメなどショートアニメは含めず抽出しています。
2015年開始:プラチナエンド ( 原作:大場つぐみ / 作画:小畑健 ) / 掲載誌:ジャンプスクエア / 全14巻
2018年開始:地獄楽 ( 賀来ゆうじ ) / 掲載サイト:少年ジャンプ+ / 全13巻
その他の同月完結作:D・N・ANGEL / DAYS / ひなこのーと / はたらく細胞BLACK
2012年開始:亜人 ( 桜井画門 ) / 掲載誌:good!アフタヌーン ( 講談社 ) / 全17巻
2017年開始:サマータイムレンダ ( 田中靖規 ) / 掲載サイト:少年ジャンプ+ ( 集英社 ) / 全13巻
その他の同月完結作:魔法少女特殊戦あすか / ド級戦隊エグゼロス
2013年開始:不機嫌なモノノケ庵 ( ワザワキリ ) / 掲載サイト:ガンガンONLINE ( スクウェア・エニックス ) / 全18巻
その他の同月完結作:ひとりぼっちの〇〇生活
2013年開始:王室教師ハイネ ( 赤井ヒガサ ) / 掲載誌:月刊Gファンタジー ( スクウェア・エニックス ) / 全17巻
2014年開始:ヲタクに恋は難しい ( ふじた ) / 掲載サイト:comic POOL ( 一迅社 ) / 全11巻
2017年開始:ランウェイで笑って ( 猪ノ谷言葉 ) / 掲載誌:週刊少年マガジン ( 講談社 ) / 全22巻
その他の同月完結作:聖闘士星矢 セインティア翔
その他の同月完結作:織田シナモン信長
2014年開始:ノー・ガンズ・ライフ ( カラスマタスク ) / 掲載誌:ウルトラジャンプ ( 集英社 ) / 全13巻
以上30作品を抽出できましたが、このうち原作全てがアニメ化された・される作品は赤字・青字の7作品のみでした。
これら7作品ですが、大きく2パターンに分けられそうです。
① 原作全てを一気にアニメ化するパターン
「原作の完結に合わせてアニメ化」あるいは「完結してからアニメ化」という場合は、原作の最後までアニメ化することが多いです。
「プラチナエンド」・「サマータイムレンダ」・「ホリミヤ」はこのパターンに該当しますし、「地獄楽」もこのパターンになる予想です。
詰めれば2クールに収められる長さの、10数巻程度で完結するマンガでよくあるパターンです。
① – A:プラチナエンド ( 原作:大場つぐみ / 作画:小畑健 )
① – B:地獄楽 ( 賀来ゆうじ )
① – C:サマータイムレンダ ( 田中靖規 )
① – D:ホリミヤ ( 原作:HERO / 作画:萩原ダイスケ )
今回挙げた4作品はいずれも全13~16巻の間で収まっていますが、これはおそらく1本のTVアニメ化企画で描き切れるギリギリの分量がこのくらいなのだと思われます。
気になるのはホリミヤのクール数です。他の3作品はいずれも2クールでしたが、ホリミヤのみ1クールだったため、原作の重要エピソードのみをかいつまんだダイジェスト版のようになってしまっていました。
あくまで想像ですが、完結後に2期の企画を通すことは難しいと考えての詰め込み判断だったと思われます。しかしホリミヤのアニメは好評で、その後取りこぼしたエピソードを補完する2期が発表されました。なかなか特殊なパターンです。
なお、最近は10~20年ほど昔のマンガをリブートする形で再アニメ化・初アニメ化する企画も増えてきました。一気に完結までアニメになる作品は今後も増えていきそうです。
② 続編により原作全てをアニメ化するパターン
マンガのアニメ化は、まだ連載途中に実現することがほとんどです。その場合、原作ストックの問題が生じます。アニメが原作に追いつかないように、なんとか手を講じていくわけですね。
昔の夕方アニメですと原作ストックがたまるまでオリジナル展開を挟んだりしていたわけですが、最近のアニメは物語のキリのいいところで一度アニメを終わらせてしまいます。
その後、原作人気・アニメ人気があって再度アニメ企画が通れば、晴れて続編アニメの製作となります。この続編企画を、何度も通し続けて原作全てをアニメ化しきるパターンについて考えてみます。
2021年に完結したアニメ化マンガですと「はたらく細胞」・「のんのんびより」・「進撃の巨人」がこのパターンに該当しそうです。
② – A:はたらく細胞 ( 清水茜 )
② – B:のんのんびより ( あっと )
② – C:進撃の巨人 ( 諌山創 )
- TVアニメ ( 第1期 ) :
- 放送:2013春 – 夏 ( 2クール )
- 監督:荒木哲郎
- 制作:WIT STUDIO
- TVアニメ ( 第2期 ) :
- 放送:2017夏 ( 1クール )
- 監督:肥塚正史
- 制作:WIT STUDIO
- TVアニメ ( 第3期 ) :
- 放送:2018夏 & 2019春 ( 分割2クール )
- 監督:肥塚正史
- 制作:WIT STUDIO
- TVアニメ ( 第4期 ) :
- 放送:2021冬 & 2022冬 & 2023冬 & 秋 ( 分割3クール相当 )
- 監督:林祐一郎
- 制作:MAPPA
はたらく細胞は原作6巻完結と巻数が少なく、アニメ1期から2期までのブランクも2年半と短いです。完結までアニメ化しやすい条件がたまたま揃っていたというのが大きそうです。
一方で、のんのんびよりと進撃の巨人は原作人気・アニメ人気に後押しされて何度もアニメ化されており、4度目のアニメ化企画でようやく原作全てのアニメ化が実現した形です。
2021年に完結したアニメ化マンガで言うと、特にこの2作が重要な作品だと言えそうです。
23%のマンガしか最後までアニメ化してもらえない!?
原作の最後までアニメ化してもらえるマンガ・もらえないマンガについて考えてみました。
2021年に完結したマンガのうちアニメ済み・予定の作品は30作品あって、そのうち原作全てがアニメ化された・されそうなのはたった7作品のみでした。割合にして23%になります。
23%と聞くと狭き門に思えますが、良アニメにはなんとか完結まで頑張ってもらいたいですよね。私たちの応援でその確率は上げられるはずです。
というわけで、今後も推しアニメは完結まで応援していきましょう。
以上です!